起業:消防設備士『君達3人をリーダーとして認めてない』vol.710 2020.12.28(前)
東京1354日目!(前)
あらすじ
来年から昇格する3人に伝えた
「俺は君達を認めてない」
主体性がないから
でも、それを全面否定せず
“失敗の数”と“強い想い”がどれだけ大切かもしっかり伝えた
作文を作らせて来年個別でゆっくり喋ることにした
継承者の悩み
【28日(前)】
昼過ぎから渋谷でアポ

WEB広告代理店出身の経営者である仲野さんと
歴史ある会社の6代目社長という立場でもあり
それだけではなく自分でも仲間と共に会社を作ってIPO(上場)を目指すという
凄いアグレッシブな人やった
お互いの自己紹介を終えた後、仲野さんと継承について盛り上がった
仲「吉村さんが飛び出した気持ちが分かります
自分も6代目としてやってますがいくら結果を出しても難しい部分を感じてます
僕は元々マーケティング系の会社に来たのでその知見を活かし
今の親の会社でマーケティング事業部を作って結果を出しましたが今一つ社内を纏めてられているかといえば難しい部分があります」
俺「そうですよね。」

2日前にオンラインサロン『team1』の中で継承者・継承予定者を集めてzoom交流会を行った
皆んな悩みの共通点なども多くてかなり盛り上がった
業種は違えど、仲野さんも同じような悩みを持ってた
話が盛り上がり過ぎて2時間喋りまくって
新リーダー
17:30に事務所に戻ってきた
そして青木、山口、市川の3人を呼び出した
この3人は来年から新しくリーダー、サブリーダーとして昇格予定
以前にもブログで紹介したようにこれからチーム編成を変える上で
吉田から新しく昇格の提案を受けた

新リーダー:青木

新サブリーダー:山口

新サブリーダー:市川
正直ピンと来やんかった
理由は簡単
『言われたことしか出来ひんから』
それが人として悪いと言ってるわけでない
人に指示されてからでしか行動出来ひんタイプが上に立つこと
つまりリーダー格になることが違うと思ってる

でも今のリーダー格も元々完璧って訳でもなかった
もっと言うと今でも完璧な人間はおらん
人は少しずつ成長していくもんやから
だから吉田からの話を受け入れた
君達3人をリーダーとして認めてない
昇格決定の話はまず、吉田にさせて
その後、俺が1人1人と喋ろうと思ってた
俺「昇格前に1人1人とちゃんと喋りたい。正直俺は今のままで3人がリーダー格になることが不安や」
吉「分かりました。それぞれ本人達から個別で連絡させます。」
俺「了解。1人1人とゆっくりしゃべるわ」
数週間待ってみたけど誰からも連絡は無かった
その事にショックを受けた
東京本社は今日がラストの勤務日

という事で待ってられずに俺から吉田に連絡を入れた
俺「まだ3人から連絡来てないねんけど」
吉「マジですか、、、連絡する様にそれぞれに何回か言ったんですが、、、すぐに連絡するように言います」
吉田との電話の後、めちゃくちゃモヤモヤしてた
こんな状態で大丈夫なんかと
主体性がないレベルではない
指示された事さえも出来てないんやから
俺と個別で喋ることに緊張するのは理解できる
けど、中々掴まれへん機会やねんからここぞとばかり自分をアピールするチャンスと捉えて欲しかった
まず、3人と個別で話す段階でもないと判断した
今日は3人もまとめてしゃべる事にした
事務所に帰ってきて俺の部屋に青木、山口、市川の3人と吉田を呼んだ

そして全てをそのまま伝えた
俺「正直、俺は君達3人をリーダーとして認めてない。リーダー格になるレベルやと思ってない。点検や工事のスキルはあるのは知ってる。けどな、リーダーとしてチームを率いていく立場の人間にはもっと重要な事があるねん。それは”主体性“を持ってるかどうか。言われてからでしか動かれへんタイプにリーダーは務まらん」
こうしなさい
ああしなさい
そうやって上司から言われてからでしか行動出来ひんタイプじゃリーダーってのは務まらん
別にWAVE1には道を作る側だけでなく、用意してもらった道を言われた通り歩くだけの社員もおっていいと思ってる
なにも全員が主体性の塊みたいな人間じゃなくてもいい
ただリーダー格になるなら最低限は持ってもらわんと
その人間たちがそれぞれ新しくチームを率いていくんやから
今年も11人社員が増えたけど、新しく入ってくる社員はもう俺とゆっくり時間を過ごす事は出来ひん
WAVE1って”どんな会社か”であったり“大切な想い”を伝えれるのは直属のリーダーやから
だからリーダーが最低限でも『WAVE1』とはどんな会社かを伝えれなアカン
でないとホンマに強い組織は作られへん
ただ日々、消防設備点検・工事をするだけの会社になってしまう

俺らWAVE1は消防設備業界日本一を目指して革命を起こす集団やねんから
日本一には俺だけが頑張っても達成出来ひんねんから
皆んなで一丸とならな夢に終わる
主体性は後から付けれる

営業チームの板垣や管理チームの西崎などは自分からリーダーになりたいと手を挙げてきた
そしてWAVE1が成長するために自分は何をすればいいのかを言われんでも考えて行動してる
正直、それ位のガッツが欲しい
今のリーダー陣にはそれがあって
これからの3人にはその気配が感じられへん
けど、実際今のリーダー陣も始めからそこまで主体的に動けてたか?って聞かれるとそうではない
皆んな少しずつ成長してきてる

代表的なのがWAVE1メンテナンス社長の伊藤
彼は東京本社で工事チームの一員(役職なし)であった時は全く主体性は無かった
ただ割り振られた工事案件をこなすだけ
自分から提案するのも大した内容ではない
実はこのブログも読んでなかったし、著書『最強の仕事』も読んでなかった(別に強制させてなかったから)
それを聞いた時は驚いた
めちゃくちゃショックやった
「コイツはWAVE1ってどんな会社なのか、どうやって日本一を達成しようとしてるのか」って事に興味ないんか?
と思った

でも腹を割って語り合った
何故皆んなで一丸となる必要があるのか
そのヒントがこのブログや著書に入ってる事も伝えた
それまでの伊藤とは東京で全然会話もしやんかった
ホンマに挨拶だけ
けど、何回も会話を重ねる事で伊藤は変わった
最近のブログの登場でもその変化はブログ読者にも伝わってると思う
人は必ず成長する
だから今は青木、山口、市川がまだまだリーダー格に到達するレベルじゃなくても
伊藤のように変わってくれると信じてる

それも全部3人には伝えた
俺「という訳で、今は3人を認めてはないけどこれから変わると信じてる。主体性を持って『割り振られてる業務の中でどうすれば更にWAVE1は日本一に近づくのか』を考えれる人間に成長してくれると。そのために作文を書いてもらう」

このブログと著書『最強の仕事』を年末年始で読んで
そこから俺が決めたテーマに沿って
それぞれの想いを作文にしてもらうことにした
正直こんな事も俺からの命令でしたくは無かった
けど、する事にした
それを見ながら年明けに1人ずつと喋る事にした
まずは様子を見る
仮でリーダーとしてやっていってもらう
けど、やっぱアカンと思ったら遠慮なく変えることも伝えた
“失敗の数“と“強い想い“
その上で最後に重要なことを伝えた
俺「最後に絶対に忘れてほしくない事を伝える。今みんなは自分を『リーダーになる資格のない人間や』って思ってないか?それは違う。今回は失敗しただけや。WAVE1ってな、失敗をチャンスと考える文化があるねん。失敗しないと成長なんかしやんねん。この会社で1番失敗してるのは俺やねん。だからこの3年半で誰よりも成長してるねん。そして今のリーダー陣もめちゃくちゃ失敗して苦しんで悩みまくって行動してきたから皆んな成長してるねん。だから失敗ってのは『よし!これでまた成長出来るぞ』って喜ぶべきものなんやで」
マジで今年はいっぱい泣いた
俺だけじゃない

東京本社代表の吉田も
大阪営業所代表の桒原も
東京本社副代表の中村も
山ほど失敗した
マジでいっぱい失敗して悩みまくった
でも
皆んな心ボロボロになりながら
それでも諦めずに頑張ってきた
だから少しずつ成長してる
俺も含めて皆んな大した人間じゃない
優秀な人間はこの世の中死ぬほどおって
俺らはそんな人達とあり得へんくらい差がある所からスタートしてる
でも
そんな凄い人たちもそれだけの経験をしながら成長してるねん
だから今の俺らが大したことなくても
今から成長すればええねん
人はどうやったら成長するのか
それは”失敗の数”
”失敗の数”が多いほど人は成長する
でもめちゃくちゃ大切な事は

そこで『WAVE1を消防設備業界日本一にさせる』って強い想いがないと
反省もしやんし向上もない
だからその想いを持ってもらわんと話にならん
そう言う意味で“作文”という課題を与えた
俺「謝らんでいいからな。むしろ今回の失敗を喜んだらいい。これで皆んなはまた1つ成長することが出来るんやから。今の自分の状況を冷静に考えたらいい。たった一回の人生でWAVE1に入社してるのがどれだけ凄いことか。そしてまだ小さい今の規模でリーダー格になれるチャンスがどれだけ価値があることなのか。」
3人は「ありがとうございました」と言って部屋を去った
人への伝え方

その後、喫煙所で東京本社代表の吉田と2人で喋った
吉「マジで感動しました。社長伝えるの上手すぎます」
俺「そう?」
吉「俺だったらどうしてたかなって考えてたんですよね。俺が社長の立場だったら何て言ってたかなって。『こんなことするから認められないんだよ』ってダメ出しだけでしてしまう気がしてて。だから今回連絡しなかった3人に自分から指摘するのはやめて全部社長に任せようと思いました。正解を見れて良かったです」
俺「ただのダメ出しってアカンよな。人を傷付けるだけで部下の成長には繋がらん。言ってる側の鬱憤を晴らしてるだけやからそんな組織は成長が止まってしまう。“何故良くなかったのか”“どう考えればいいのか”をしっかり伝えていけば人は必ず変わるよ」
吉「はい。本当に勉強になりました」
俺「吉田は次にこれを出来るようにならんとアカン立場やからな。今回はそういう意味も込めてあの場所に呼んでん」
『失敗は成長へのチャンス』
失敗して落ち込む気持ちは俺もめちゃくちゃ分かる
でもそこで挑戦を止めてしまったら
そこから先の成長はない