起業:消防設備士『6年前と同じセリフ』vol.220 2019.7.26
東京744日目!
あらすじ
ずっと心に残ってた
昔、めちゃくちゃ失礼な辞め方をした会社の社長とバッタリ出会った
無理されてもおかしくないのに普通に話してもらえた
6年前と同じセリフを言った
凄く嬉しい返事に別れてからも手の震えが止まらんかった
家族の時間

この日は東京へ戻る日
午前中は家でゆっくり
ホンマに家族との時間が幸せ過ぎる
嫁の運転で新大阪駅まで送ってくれた
ホンマに有難い
今回はいつもより滞在時間が短かった
もうちょい長くおりたかったな
品川駅の喫煙室

今日は18:00から八王子で取引先の暑気払いの予定
16:00に社員と恵比寿駅で合流して
車で八王子に行く約束をしてた
その為にいつもは絶対東京駅で降りるのに
今回は品川駅で降りた

たまたま寄った品川駅の喫煙室
そこで衝撃的な人と出会った
昔俺がサラリーマンをしてた会社の社長がタバコを吸ってた
「○○社長!吉村です!覚えてますか?」
「おぉ!!もちろん覚えてるよ!!」
そこから会話が盛り上がった
凄く気さくに話してもらえた
そんな風に接してもらえるのが普通ではありえへん位に失礼な退職の仕方をしたのに・・・
遅刻

今から6年と3ヶ月前
神戸の三ノ宮に本社のある会社に就職した
当時から起業への興味はうっすらあった
けど、消防設備業界に行くつもりは無かった
とりあえず手に職を付けて独立出来るようにしようと、そこの会社に入社した
まず、入社出来たこと自体が信じられへん位やった・・・

その会社での面接の日に俺は寝坊した
面接の開始時間を考えると最寄駅で10:10発の電車に乗らないと間に合わん
ダッシュで走ったけどその電車が目の前で過ぎてしまった
そこで諦めた
「時間通りに面接会場に行かれへん人間が受かる訳無い」
そう思って当時通ってた大学の就職支援室に向かった

就職支援の担当者の所へ行って
「何か他に無いですか?遅刻したんであの会社諦めますわ」
「それはしょうがないとして、ちゃんと電話で謝ったんか?」
「いや、、、めっちゃ電話掛かってきてますけど取ってないです」
「ふざけるな。今から電話して謝れ」
担当者に怒られて電話をした
「本日面接予定の吉村です。今日寝坊してしまいました。本当に申し訳ございませんでした。」
「いやー!!!良かったわ!!!事故でもあったのかと心配してました!!今日まだ可能なら16:00に来てくれれば面接出来ますよ!」
と言ってもらえた
「わかりました。それでは16:00にお伺いさせていただきます。よろしくお願いします。(どうせ落ちるやろうけど、ここまで優しく言ってくれてるし謝りに行こう)」
面接

会社に行くと専務さん(社長の奥さん)が出迎えてくれた
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
会議室で待ってると社長が現れた
「君が吉村くんか!」
「この度は誠に申し訳ありませんでした。」
「かめへんかめへん!寝坊なんて誰でもするねんから!気にせんでええよ!」
と言って面接がスタート
履歴書も見ずに数分すると
「君を採用する!とりあえず正式な合否は後日通知するけど絶対に採用やから安心してや!」
と言ってもらえた
ホンマにビックリした
絶対に落ちると思ってたから
その年、俺を含めて3名の入社が決まった
ご飯の約束

正社員になってから1ヶ月半が過ぎた頃
社長は朝、オフィスビルの喫煙室でタバコを吸ってから出社するのが分かってた
だから社長が朝喫煙室に入ってくる前に行って『建築系の新聞』を見て勉強してるフリをして毎日待ってた
凄く褒めてもらえて毎日社長と話す事が日課になってた
とある日
「社長、ご飯に連れてって欲しいです」
「おぉ!!ええよ!自分を含めた新入社員3人で行こか!」
「あ、、すみません、、、僕1人でもいいですか?」
「ええよ!自分がその機会を作ったんやから全然ええよ!ほんならまた連絡するわな!」
と言って社長とご飯に行った
そこでも凄く嬉しい事を言ってもらえた
それやのに辞めた
失礼な辞め方
めちゃくちゃ失礼な辞め方をした
辞める事を社長に伝えた時
「最後、皆んなにお礼を言ってから去り」
と言われた
そのオフィスにおる30人の人みんなに嫌われてたからめっちゃ嫌やった
けど、こんな俺を最後まで優しくしてくれた社長の言う事最後だけは聞こう
と思って挨拶に回った
全員に冷たい態度を取られた
けど、社長だけは最後まで優しくし続けてくれた
1番最後に社長に挨拶に行った
「本当にすみませんでした。短い時間でしたが本当にありがとうございました。」
「いつでも連絡しといで。またご飯に行こうな!」
と握手をしてくれた
6年前と同じセリフ
・・・ずっと心に残ってた
起業してからみんなにその社長の事を話してた
一年前から挨拶に行きたくて何回も神戸の会社に電話しようとした
けど、社員の人には嫌われまくってるから
(あのオフィスには流石に戻られへんな。。)
と思って電話の発信ボタンの前で何度も躊躇した
結局一回も電話をする事は無かった
今これを書いてても昔の自分が人として未熟過ぎて恥ずかしい
けど、そんな俺をずっと優しく接してくれた社長
ホンマに頭が上がらん
品川駅で話した後、手の震えが止まらんかった
普通に昔と変わらず話してくれた
「吉村くんは今何やってるんや?」
「起業して、消防設備点検や消防設備工事をメイン事業とした会社を経営してます!」
「そうか!頑張ってるな!!」
「社長、ご飯に連れてって欲しいです!」
6年前と同じセリフと言った
「おぉ!ええな!行こか!また近いうちに連絡するわな!」
「吉村くん、目が変わったな!昔とは全然ちゃうわ!」
ホンマに嬉し過ぎてヤバかった
泣きそうになった
ずっと
『またお会いしたい』
と思い続けてた
ホンマに嬉しい