消防設備士|「ド安定で最強の仕事」を現役消防設備士が解説!

仕事

消防設備士という職業はご存じですか。名前を聞いたことがなくても、仕事風景を目にしたことがある方はきっと多いはず。マンション等にお住まいの方は、写真のような点検員をご自宅に迎え入れた経験があるのではないでしょうか。

彼らこそが消防設備士。建物に設置されている消防設備の点検・整備・工事を行うスペシャリストです。有事の際に火災報知器や消火器などの消防設備が正しく作動するか点検しています。人々の命を守る仕事と言っても過言ではありません。

そんな消防設備士は様々な観点から最強の仕事と呼ばれています。第一に挙げられるのが仕事の安定性。消防設備が設置されている建物は必ず年に数回定期点検を実施しなくてはいけないため、建物の数だけ仕事があります。

未経験でも必要な資格を取得し、経験を踏むことでスキルアップが見込め、独立も容易という側面も。実際に体を動かす仕事であることから、多くの職種で労働者を脅かす「AIの発展による失業」の影響も受けにくいと言われています。

仕事の安定性、将来性から最強の仕事と形容される消防設備士について、本記事では詳しく解説します。スキマ時間に副業として消防設備士の仕事ができる新時代のサービス「ビルメ」についてもご紹介。ぜひ最後で読んでくださいね。

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消防設備士とは

消防設備士 点検風景

防火対象物の関係者は、消防用設備等又は特殊消防用設備等について、定期に点検し、その結果を消防長又は消防署長 に報告しなければならない。

消防法第17条3-3

上記は消防法に記されている一節です。消防設備士は消防法をもとに存在し、日々業務にあたっています。この章では具体的な消防設備士の仕事についてご紹介します。

消防設備士の一日

まずは会社に勤める消防設備士の1日の一例をご紹介します。一体どのような流れで日々業務にあたっているのでしょうか。

<朝>出社または現場直行

点検の現場はだいたい朝の9時または10時から。そのため会社から現場までの移動時間を逆算して出社します。現場への直行が認められている場合もあります。現場に着いたらいざ業務開始です。ちなみに、都内においても車で移動することが大半です。

<昼>作業終了または昼休憩

現場によっては作業開始から2~3時間で終了することもあります。終了次第帰社し、報告書作成など、事務作業に取り掛かります。1日がかりの現場では、キリがよいタイミングで休憩を取ります。昼食で力を付けたら作業再開です。

<夕>作業終了、帰社その後帰宅

基本的に1日がかりの現場でも、15時~16時には作業を終了します。しかしトラブル等が発生した場合は伸びてしまうこともあります。その後帰社し、定時まで報告書の作成に取り掛かります。現場によっては直帰も認められています。

消防設備士が行う業務

冒頭でも少しお伝えした通り、消防設備士の主な業務は消防設設備の点検・整備・工事を行うこと。加えて、点検報告書を管轄の消防署へ提出するのも消防設備士の業務の一つです。

消防設備点検

消防設備の点検は消防設備士の代名詞的業務。建物に設置されている以下のような消防設備を点検・整備します。

  • 火災報知器
  • 排煙設備
  • 避難誘導灯
  • 消火器
  • 消火栓
  • スプリンクラー
  • ガス消火設備
  • 動力消防ポンプ設備
  • 泡消火設備
  • 避難ハッチ(はしご)

身近な例だと、集合住宅の各部屋の天井に設置されている火災報知器や、避難ハッチ(はしご)など。火災報知器の点検では、実際に熱または煙を報知器に当てることで疑似的に火災と同じ状況を作り出し、作動するかを確認します。

消防設備士
消防設備士

天井が高い建物についている火災報知器を点検する時はとても大変です。

消火器は誰しもが見たことのある一般的な消防設備ですが、もちろん点検の対象です。

消火器は10年ごとに交換が必要なため、点検時には期限が切れていないかをチェック。更に消火器の種類によっては圧力が正常かの確認、内容物が漏れ出ていないかの確認も怠りません。

点検の種類

消防設備点検は1年に2回しなくてはいけません。とは言っても2回とも同じ点検をする訳ではなく、機器点検総合点検と呼ばれるの2種類の点検を行います。

機器点検とは、外観または簡易的な操作による確認をする点検であり、半年に1度行います。設置されている全ての消防設備を点検する訳ではありません。機器点検の代表例として消火器の点検が挙げられます。

対する総合点検は、実際に消防設備を作動させ、総合的な機能を確認する点検で、1年に1度行います。避難ハッチ(はしご)を降下させるなど、外観では判断できない機能を点検します。また、総合点検の際に同タイミングで機器点検も行います。総合点検では対象の消防設備を包括的に点検します。

消防設備工事

消防法に基づき、消防設備の新設、移設、交換などを行うのも消防設備士の仕事。消防設備工事と呼ばれる業務です。建設中の建物に消防設備を取り付けたり、テナント変更に伴い、部屋の区画が変わった際に新設・移設などを行います。もちろん点検中に見つかった不具合のある消防設備の修理・交換・撤去も多く扱います。

工事には点検よりも複雑で幅広い知識が必要なため、点検のみできる資格とは別区分の資格があります。資格の種類については後ほど詳しく説明しますね。ちなみに工事をする際は「着工届」と呼ばれる届け出を自治体に提出しなければいけませんが、その届け出をするのも消防設備士の仕事です。

▼消防設備士の仕事を紹介している動画もありますので興味がある方はご覧ください▼

【プロフェッショナルの流儀】消防設備士について

消防設備士のやりがいと大変なこと

指を指す作業員

消防設備士の多くは、消防設備士という職業について「やりがいがある」と口を揃えます。仕事を続ける上で給与以上にも大切と考える人も少なくない大切な指標である「仕事のやりがい」。消防設備士はどのようなことにやりがいを見出しているのでしょうか。

一方で大変なことがあるのも事実。この章では、消防設備士のやりがいと大変だと思うことについて現役消防設備士からの声をもとに一例をご紹介します。

仕事のやりがい

人命を守ることに繋がる

最も多く寄せられた声が、「人命を守ることにやりがいを感じる」という意見。有事の際に消防設備がしっかりと作動し、人命を一名でも多く守れるように日々点検を行う職業であることを再認識させられます。

点検の際、不良が発覚し、交換が必要だとみなされる消防設備は数多くあります。消防設備士が点検を行わなければ、不良であることも気づかれぬまま、有事の際にその役割を果たせずに救える命を救えないことも想定できます。消防設備士の役割は侮れません。

女性に感謝される

また、男性が多く活躍している消防設備業界ですが、女性消防設備士も少ないながら存在します。女性消防設備士ならではのやりがいとして、「点検先の女性の住民に感謝されることが多い」という声が挙がりました。「男性の点検員を部屋に迎え入れたくない」と考える点検先の女性居住者に対し、女性消防設備士の存在は大きいようです。

業務において大変なこと

人命を守る故の大変さ

やりがいでもある「人の命を守る」こと。有事の際に人命に直結する設備を扱うため、ミスや見逃しは許されません。ひとつひとつの設備を正確に点検しなくてはなりませんが、スケジュールとの兼ね合いで急ぐ必要のある場面も。正確性と効率性を両方身に着けるまでが大変だと感じる消防設備士は多いようです。

大きい現場だと運動量が多い

消防設備士の現場は多岐に渡り、小さめの集合住宅やオフィスビル、テナントが複数入っている商業施設などがあります。

中でも商業施設などは、面積が広い上に、設置されている消防設備が多いことから大変という意見が挙がりました。広い現場では、総歩数量は2万歩を超えることも珍しくなく、作業が終わるころにはヘトヘトになることも。慣れている消防設備士でも、連日続くと大変だと感じるようです。

消防設備士こそ最強の仕事である3つの根拠

消防設備士は最強の仕事である。冒頭でそうお伝えしました。しかしなぜ消防設備士はそう呼ばれるのでしょうか。最強の仕事と呼ばれる3つの根拠をご紹介します。

①圧倒的に安定した職業である

コロナ禍の現代、様々な職種で失業が不安視されています。しかし消防設備士の仕事は法で守られているため、「仕事がなくなる」可能性はとても低いのが特徴。体を動かす仕事であることから、多くの業種で懸念されている「AIの発展による失業」が起こりにくいとも言われています。

加えて流行に左右されにくい点も仕事の安定性に一役買っています。一般的な企業では、時代の流行り廃りを見据え、市場で価値があるモノ・サービスを考え生き残っていく必要があります。しかし、消防設備士の主な業務は法令点検。時代が移ろぐ中でも法に守られているため、常に仕事があります

②独立を見据えられ、将来性がある

消防設備業界は、会社員として活躍する人と並び、独立し一人親方として活躍されている方も多くいます。独立すれば時間的・収入的にも余裕が生まれる場合が多いことが理由として挙げられます。上述の通り仕事は常にあるため、資格を保有しており、経験豊富なスキルを持っている人は重宝されるのです。

③未経験でも、40代・50代でも活躍できる

消防設備士の求人の多くは、「未経験歓迎」の枕詞が付いています。これは、消防設備点検が必要な建物の数に対し、消防設備士の数が圧倒的に足りていないため。そのため40代・50代歓迎と記載のある求人も多く見かけます。

先ほど紹介したように、スキルアップすることで独立も可能。退職後のセカンドキャリアの為に、未経験でも、40代・50代でも数年消防設備士として経験を積むことで、「生涯現役」で活躍できることでしょう。

消防設備士になるにはどうすればいいの?

消防設備士に興味が湧いてきたけど、誰でもなれるの?資格とかが必要なのかな?

消防設備士になるには、国家資格「消防設備士」または「消防設備点検資格者」が必要です。「消防設備士」には甲種、乙種合わせて8種類、「消防設備点検資格者」には計3種類あります。

「消防設備士」では、種類ごとに扱える消防設備が限定されています。例えば消火器を扱うためには乙種6類(=乙6)、火災報知器を扱うには甲種/乙種4類が必要です。

消防設備士になるなら乙6は取っておこう

消防設備士を目指す方は、まずは「消防設備士」の資格を取得することを第一目標に掲げましょう。と言うのも、「消防設備士」をひとつでも取得すれば、試験不要で幅広く消防設備を扱えるようになる「消防設備点検資格者」の受講資格を得られるためです。「消防設備点検資格者」については後ほど詳しく解説します。

「消防設備士」の中でも、とりわけおすすめなのが消火器が扱えるようになる乙6。消火器が最も普及している消防設備であること、試験範囲が他の種類と比べ狭く、合格しやすいことが理由に挙げられます。

乙6に関して、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

消防設備士の甲種と乙種の違い

ここでひとつ説明が必要なのが、甲種と乙種の違い。端的に言うと、点検・整備のみ行える資格が乙種加えて工事も行える資格が甲種です。甲種は上位資格であるため、取得すれば乙種でできるこは全てまかなえます。例えるならば、自動車免許のAT限定が乙種、MT車も扱える制限なし免許が甲種です。

受験資格がなく誰でも受験可能な乙種とは異なり、上位資格である甲種は受験に際し一定の条件が設けられています。更に出題範囲も乙種よりぐんと広がり、取得難易度も高まります

甲種1~5類までの受験にクリアしなければならない条件は以下の通り。

  • 特定の国家資格を保有する者(下記は代表例)
    • 消防設備士甲種
    • 電気工事士
    • 建築士
  • 学歴によるもの
  • 実務経験
    • 消防設備乙種の免状の交付を受けた後、2年以上の実務経験を持つもの

あれ?1~5類ってことは、特類はまた別に何か条件があるの?

そうなんです。特類の受験条件はかなり高く、甲類1~3類のいずれかひとつに加え、甲種4類と甲種5類の計3種類以上の資格を取得してようやく受験できます。

消防設備士 甲種特類に必要な条件

甲種特類は、特殊消防用設備が扱えるようになる資格。特殊消防用設備とは、従来型ではない消防設備のこと。従来型が設置できない場合などに代替で設置されます。しかし、日本において、特殊消防用設備が設置されている建物の数は68棟(参照:総務省消防庁令和元年版消防白書)と極わずか。

需要があまりない上に、取得条件が厳しいため、受験者数も「消防設備士」の中では最少です。そのマニアックさ故か、上位資格である甲種のみ存在し、乙種はありません。

ちなみに・・・
1~5類は甲種・乙種ともに存在しますが、特類は甲種のみ、6類、7類は乙種のみ。特類は前述の通りですが、なぜ6類と7類には上位資格の甲種がないのでしょうか。理由として考えられるのは、第6種で扱う消火器には工事という概念がないため。第7種で扱う漏電火災警報器の取付・工事には別資格「電気工事士」が必要であるためです。

消防設備士
消防設備士

乙種に比べ、甲種の試験はかなり難しいので、取得の際は

毎日必死に勉強しました。

消防設備点検資格者とは

「消防設備点検資格者」は、「消防設備士」に並び消防設備点検が行える国家資格。計8種に細分化されている「消防設備士」を3種類に凝縮した資格です。乙種と同じく工事に携わることはできません。

第1種では機械系統の消防設備第2種は電気系統の消防設備を扱えます。特類は前述の通り特殊消防用設備の点検が行えますが、甲種とは違い工事は行えません。

上記の表は、「消防設備点検資格者」の資格区分とそれに対応した「消防設備士」の資格です。見ていただくと分かる通り、「消防設備点検資格者」第1種と第2種を取得すれば、乙種1~7類で扱う業務をカバーできます。オールマイティな資格ですね。

「消防設備点検資格者」は試験を受ける「受験」ではなく、講習に参加する「受講」タイプの国家資格。数日間講習を受け、最終日に受けるテストに合格すれば資格取得です。合格率は約94%と高い半面、スケジュールを連日で確保しておく必要があり、受講費用も高額なことがポイントです。

受講は誰でもできる訳ではなく、条件が課されています。

  • 特定の国家資格を保有する者(下記は代表例)
    • 消防設備士甲種/乙種
    • 電気工事士
    • 建築士
  • 学歴によるもの
    • 学校教育法による大学、高等専門学校(5年制)、高等学校又は中等教育学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科又は過程を修めて「卒業した者」(引用:一般財団法人消防試験研究センター徳島支部)
  • 実務経験
    • 消防用設備または特種消防用設備の実務経験が5年以上ある者

「消防設備士」甲種の受験資格と似ていますが、乙種の保有でも受講資格を得られるのがポイント。そのため需要が高く、試験範囲が比較的狭い乙6を取得後に「消防設備点検資格者」を取得する流れが効率的と言われています。

番外編:消防設備士と消防士の関係性

消防設備士って消防士とは違うの?

消防設備士は誰しもこのような質問を投げかけられたことがあります。どちらも「消防」という言葉が付くことに加え、まだまだ消防設備士が一般的に認知されていないことが要因でしょう。

消防設備士はあくまでも消防設備を点検・整備・工事することを業務にしています。業務として消火活動を行うことはありません。加えて消防設備士は一般企業に帰属する会社員またはフリーランスで活躍する個人です。

対する消防士は、基本的に国や自治体に帰属する公務員。消防士と聞くと「消火活動」を真っ先にイメージしますが、他にも「救急活動」、「救助活動」、「防災活動」、「予防活動」を業務にしています。ちなみに「消火活動」よりも「救急活動」の方が出動割合が高いそうですよ。

一見全く違うことを業務にしているように思える両者ですが、実は消防士の「予防活動」は消防設備士の業務と切り離せません。「予防活動」とは、火事や災害を未然に防ぐための活動。消防設備士が行っているのも、「予防活動」の一部と言っても過言ではありません。

消防設備点検では消防署に点検結果の報告をしなければなりませんが、消防士はその報告をもとに対象の建物の管理者に対し是正を促したり、再度調査等を行います。消防・防災にまつわることを包括的に管理しているのが消防士ということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では消防設備士について解説しました。消防設備士は最強の仕事ですが、まだまだ知らない人はたくさんいます。一人でも多くの方に消防設備士について知ってほしいと切に願っています。ぜひこの記事をシェアしてくださいね。

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